設備投資のジレンマ

企業にとって(特に製造業を営んでいる企業にとって)、設備投資が必要不可欠であるのは自明の理ですが、なぜ今中小企業を中心に、設備投資に踏み切れない企業が多いのかについて考えてみたいと思います。 まずは設備投資をする資金がないというもの。コロナ融資などで相応の資金はあるものの、手許資金を投資に回すことはそれなりに覚悟が必要ですし、運転資金不足も懸念されます。設備投資に対応する資金を銀行に頼んで融資してもらったとしても、金利負担もあり、投資に見合った収益が得られるのか不安だと言ったことが原因で踏み切れないというものです。 次に、この設備投資が本当に有効なのか分からないというもの。経済が右肩上がりで、将来的なビジネスモデルも十分に見通せる場合には良いのですが、現在のような先行き不透明感が漂う状況においては判断が難しい。しかも、投資した資金を長期間で回収しなければならない案件については、より一層慎重にならざるを得ないというものです。 そしてもうひとつ。これが非常に盲点だったのですが、とある製造業の社長とお話しさせていただくなかで出てきた事柄です。その社長は上述の2点についてもお話しされていたのですが、一番の問題は、過去から積み上げてきた設備を維持・改修するための費用が大きな負担となり、新たな大型設備投資には踏み込めないと言ったものでした。 その企業は全盛期にかなりの金額の設備投資をして、大規模な工場設備を構築しました。時間の経過とともにラインのさまざまな部分で機械の入れ替えや修繕を行う必要が生じており、「時代に合わせた形で、全ての設備を入れ替えてしまいたいとの欲求もあるが、莫大な費用がかかることを鑑みると到底踏み切れるものではない。」と話されていました。 過去の巨額な設備投資が、現在の投資意欲に縛りを与えてしまっている。まさに設備投資のジレンマを感じた瞬間でした。 ※何かご不明な点がございましたら、是非弊社までご相談ください。 https://www.ma-advisory.co.jp/contact/