銀行でよく言われる格付とは何なのか①

銀行との取引がある企業で、特に融資取引がある企業の経営者の方は耳にしたことがあると思いますが、銀行においてはいわゆる「格付」というものがあります。 この「格付」とは、銀行が取引先企業と融資取引を行うにあたって、その企業の財務内容や過去の返済状況などの取引実績から、そのランクを決定するものです。 そもそもなぜ銀行は、取引先企業を格付けしなければいけないのか?という点についてお話ししますと、皆さんもご存知の通り、銀行は顧客から預金を預かり、その資金をベースに各企業に融資をしています。つまるところ、銀行にとって預金は負債、融資は資産となります。 これまでの決算書のさまざまな見方のなかでも説明させていただいたように、一般企業において、資産の内容が実態と合っておらず、実際のところは帳簿上ほど価値がない場合には、実態面で負債の額が資産の額を上回ることになり、結果として、純資産の部がマイナス(実質的に債務超過)となってしまいます。 銀行に関しても、積極的に融資を行うなかで残高が大幅に伸長していったとしても、その融資が成長が全く見込めない取引先や、倒産しかかっている取引先に対するものばかりで、返済される見込みがないものばかりであった際はどうなるでしょうか? 銀行の資産において大きな比率を占める貸出金の中身が、実際のところそれだけの価値があるのかどうかという点は、銀行経営陣だけでなく監督官庁である金融庁も非常に気にするところであり、実態との乖離が大きければ、銀行経営の根幹を揺るがす大問題となることは言うまでもありません。 最近では2018年に静岡県の地方銀行であるスルガ銀行が、シェアハウスやアパートなどの投資用不動産の資金を必要とするオーナーに対しての不適切融資で世間を賑わしたことは、記憶に新しいところです。 ※何かご不明な点がございましたら、是非弊社までご相談ください。 https://www.ma-advisory.co.jp/contact/