新型コロナウィルス感染症の完全収束には、まだまだ時間がかかりそうな気配ですが、対処法も分かってくるなかで、経済活動は以前と比べると活発化してきている感があります。
こうしたなかで、ある中小企業経営者と話をさせていただいた時に、人手が足らないという言葉を耳にしました。景気が良い話で結構なことだと思ったのですが、「受注があるにもかかわらず、コロナ禍で外国人技能実習生が自国に帰ってしまっていて、交代で来る予定だった実習生も入国出来ない状態だ。」と言うことなのです。
外国人技能実習生を受け入れられない問題については徐々に改善していくことと思いますが、そもそも東南アジアの経済成長に伴い、自国での働く場所の確保が容易になっていくなかで、今後も安定的に実習生を受け入れ続けることが出来るのかという課題は残ります。
経済産業省は、ダイバーシティ経営を「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営。」と定義しています。
このなかの「多様な人材」とは、性別、年齢、人種などの従来からの概念における多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も含んでいるということで、既存の概念に囚われた人材の活用法では、新たな価値を創造することは困難だということを示しているのだと思います。
中小企業においても、今まで男性中心であった業務を女性中心に転換し、新たなチームとして取り組ませているケースも見受けられるようになりました。その経営者からは、「女性ならではの、女性にしか気付くことが出来ない目線で仕事をしてくれて助かっている。」などという言葉が聞かれます。
人口減少社会が不可避であることを全ての人が理解しているなかで、少なからず摩擦が起こることも覚悟のうえで、「多様な人材」の活用をしっかりと自社の経営戦略に乗せていくことが必要不可欠な時代が到来しているのだと感じます。
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