後継者不足問題について思うこと

世の中で中小企業の後継者不足がよく言われていますが、本当に後継者は無理をしてでも作らなければいけないのか?というのが今日のテーマです。

例えば親族内承継という考え方からすれば、親が社長をやっていることに起因して、自分の職業をある程度(精神的に)強制されるという事態が生じるわけで、これは本質的には好ましい状況ではありません。

血の繋がりがあるからと言って経営者に向いているかどうかは未知数ですし、もしかしたらパティシエの方か向いているかもしれない方に、無理して経営を任せるのは厳しいものがあります。これは、当人にとっても会社にとっても不幸なことであり、これを税制面の優遇で促進するのはいかがなものかと考えてしまいます。

また社員が承継しようとする場合でも、その社員は引き継いだ当初から大きな借入金などを背負う可能性もある訳で、自由な発想のなかで経営していく可能性を削ぐことになるのではないでしょうか?

今後の人口減少を含めたシュリンクしていく社会のなかで、本当に必要なのは無理をしてでも中小企業数を維持していくことなのかどうか。

こうしたなかで考えていくべきこととしては、ある意味極論かも知れないのですが、中小企業経営にも、経営と資本の分離を積極的に取り入れることではないかと思っています。

上場企業と違って株式を公開していない中小企業において、経営と資本の分離を行うことは容易ではないかと思いますが、本来残すべき企業(残って欲しい企業)と淘汰されるべき企業を峻別することなく、安易に情の部分を軸に議論が展開されるのであれば、日本経済の将来性は非常に暗澹としたものになるような気がしてなりません。

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