前回までは、貸借対照表の見方からこんな感じで大きく捉えてみましょう、というお話しをさせていただきました。
今回はもう一つの大切な報告書である「損益計算書」についてご説明いたします。
感覚的にということでお話しをすれば、貸借対照表よりも損益計算書の方が取っ付きやすいと思われるかも知れません。その理由の一つとしては、上から順番にみていけば理解しやすいという点にあると考えられます。
そういった視点で言えば、やはり一番上に記載されている売上高が大切です。その際には過去の自社の実績と比較する必要があり、最低でも5年の比較をすると現在の立ち位置が良いのか悪いのか、比較的簡単に理解できます。やはり1年だけ見ていても分かり難いのです。
その次は、本業でしっかりと利益を稼げているのかを示す「営業利益」が黒字となっているか、更に本業以外の事業からの稼ぎも合わせた「経常利益」が黒字となっているかを見てください。ここで儲かっていないと、何のために事業をやっているのか?となってしまいます。
細かいことを抜きにすれば、まずはこの辺りまでしっかりと把握しておく癖をつけておけば、経営に対する意識は高まるのではと思います。
そして、経営者の皆さんは、営業成績と自社の置かれた環境や立場との関係を、肌感覚でしっかりと覚えていらっしゃると思いますので、なぜ当該年度がこのような売上高になったのかを是非確認していただきたいです。
そして成績が良くても悪くても、その要因を感覚的に掴んでいただくことで次期の戦略に生かすことが出来ますし、もしその要因をうまく掴むことが出来なくても、税理士や経営コンサルタントの力を借りながら、さまざまな分析手法を活用することで対応策を得ることが出来るのです。
※何かご不明な点がございましたら、是非弊社までご相談ください。