ここまで決算書の見方について、専門的な知識はなくとも大まかな視点で見ていくにはどうしたら良いか、という観点でお話しました。そして、前回は貸借対照表においてバランスが崩れた状態(特に債務超過に陥ってしまった状態)において、まずは自社の借入金は本当に必要な借り入れとなっているか検証しましょう、という目線でのお話しをいたしました。
今回は、貸借対照表の左側の会社の資産が本当に大丈夫なのか?という目線で見ていくことにしましょう。
貸借対照表の資産の部は、流動資産と固定資産に分けられており、流動資産は現金・預金や受取手形など1年以内に現金化できる資産が計上されている一方で、固定資産は建物や設備、営業権など1年を超える長期に亘って利用されるものが計上されています。
ここで大まかに決算書を見ていただくなかで、流動資産については、本当にすぐに資金化できる資産となっているのか?という疑問を持っていただきたいと思います。現金や預金など、すぐに使える(資金化できる)状態になっているものは問題ないのですが、期間の長い手形が多く存在するとか、いつ売れるのかわからない商品在庫が山のようにあるようでは、流動性が高いとは言えないのです。
また固定資産についても、将来に亘って収益を生み出す設備などは良いのですが、リターンが不明確な投資有価証券や貸付金など、本業とはあまり関係のない固定資産が多く含まれていると健全とは言えない状態なのです。
利益を生む可能性のない資産が、合計するととどのくらいの割合あるのだろうか?という視点でみていただけると、自社の大まかな資産健全性が把握できるように思います。
※何かご不明な点がございましたら、是非弊社までご相談ください。