銀行は決算書をどう見るのか②

前回は、当期純利益から売上総利益まで下から上に会社の儲けの状況がどうなっているのかを見ていくという話をさせていただきました。 その儲けの状況を踏まえたうえで、銀行が決算書を見るポイントの2つ目は、損益計算書の一番上の項目である売上高の水準です。現在の売上高が過去と比べてどのような水準にあるのかを調べることになります。企業の売上高は、業種や企業規模によってさまざまですし、増加傾向にあるのか減少傾向にあるのかは、過去との比較(期間は5年程度)をしないと分かりませんので、時系列の推移表を作成して検証することになります。(実際のところはシステムに入力して作成するようです。) その推移表を見る際には、各利益項目の水準も同時に見ることによって、売上高と利益の相関関係についても見ていきます。 例えば、売上高が減少傾向にあって、歯止めが効かない状態になっている場合には、新規の融資を実行することは厳しいとの判断になると考えられますが、一時的な売上高の減少に伴って軽微な赤字に留まっているケースで、その原因がはっきりとしている場合には、まだ融資による支援を行う検討ができることになります。 中期的な企業の経営状態を探る手段として、期間5年程度の時系列での比較は非常に重要なものとなるようです。 こうした銀行の目線を踏まえますと、単に自社の売上高や利益が前期より良かった悪かったなどの単純な視点に終始するのではなく、自社を取り巻く環境等の要因も含め、なぜ今期の結果がこのようになったのかをしっかりと銀行に説明できるように、普段から準備をしておく必要があると思います。 ※何かご不明な点がございましたら、是非弊社までご相談ください。 https://www.ma-advisory.co.jp/contact/