半身の経営スタンス
以前、ある経営者と話をしていた時のことですが、これからの時代をどのように乗り越えていくべきかということが話題に上りました。
その経営者は地域のおける有力な中小企業の3代目で、年齢的にも40代前半と若いにもかかわらず非常に視野が広く、さまざまなことに積極的にチャレンジされる方で、その地域においても一目置かれているような方です。
私も普段からのお付き合いで、そのような方だと認識していましたので、「他社がまだ手を付けていない分野に先んじて投資をしなければ」とか「どんどんと業容を拡大してシェアを獲得していく戦略に打って出る」などの言葉が、その経営者の口から発せられるものだと思っていました。
しかしながら、彼から帰ってきた言葉は私の想像から大きく外れ、「当面はのらりくらり、降りかかってくるものを半身でかわしながら、前に進んでいくつもりです。」というものでした。
新型コロナウイルス感染の収束が見通せないことや急激な円安傾向に資源高、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界情勢の不安定化、中長期的に見れば人口減少社会の進展に伴う労働力確保に対する不安。確かに世の中が混沌としていて、先が見通せないというのは事実だと思います。
ただ、その経営者が感じていることの裏側には、真っ向勝負で抗ったとしても、さまざまな方向からの力が働いてうまく前に進むことが出来ない時代になってきている、しかも、ベクトルの変化の仕方があまりにも急なので、うまく捉えて対応することは至難の業であると…
これからの時代を乗りこなしていくための考え方として、この半身の経営スタンスは意外と有効なのではないかと感じたのでした。
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