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動物病院のM&A・事業承継
動物病院M&A・事業承継について
動物病院は、地域の飼い主と動物に対して、継続的な診療を提供してきた医療機関です。院長の診療方針、スタッフの対応、施設の運営が一体となって、その病院の信頼を形づくります。
譲渡・承継を検討する際には、誰に引き継ぐか、どのような体制で運営されるか、引継ぎ期間をどう設計するかによって、承継後の病院の姿が大きく変わります。
当社は、動物病院の譲渡・承継に関する助言と仲介に対応しています。院長・経営者からのご相談と、動物病院の譲受を検討される方からのご相談の両方を受け付けています。
当社の関与実績:成約72件
当社が動物病院M&A・事業承継に関与してきた成約件数は72件です(2026年5月時点の当社整理による)。
当社の関与実績が最も多い領域であり、業界誌への連載、書籍の刊行等を通じて、動物病院M&Aに関する実務知見を発信してきました。
買手類型の幅
動物病院M&Aの買手は、一種類ではありません。当社がこれまでに関与してきた72件について、買手類型別の内訳は以下のとおりです。
| 買手類型 | 件数 |
|---|---|
| 分院展開(動物病院グループ) | 24件 |
| 独立開業(勤務獣医師の独立等) | 16件 |
| 関連異業種 | 14件 |
| PEファンド | 12件 |
| 異業種からの参入 | 6件 |
買手類型によって、承継後の運営方針、院長の残留期間、勤務獣医師・スタッフの処遇、設備投資の考え方、財務条件の組み方が異なります。
動物病院M&Aで重要なのは、「動物病院の実務に詳しい」ことや「買手リストを持っている」ことだけではありません。どの獣医師・どの組織が引き継ぐのか、買手がどのような運営体制を持つのか、売手がどの条件なら納得できるのか——この三つを同時に見る必要があります。
買手類型の幅があることは、売手の意向や病院の状況に応じて、複数の承継先候補を比較できる可能性があるということです。
動物病院承継で確認すべき主な論点
動物病院の承継では、次の5つの論点を確認します。
院長個人への信頼と引継ぎ期間
動物病院の患者との関係は、院長個人の診療スタイル、人柄、長年の診療実績に強く紐づいています。院長が交代することで、既存の飼い主が通院先を変える可能性があります。
この影響を抑えるため、承継後の引継ぎ期間をどう設計するかが、売手・買手双方にとって重要です。院長の残留期間、段階的な引継ぎ、飼い主への説明のタイミング、新院長の紹介方法等を、案件ごとに設計します。
勤務獣医師・スタッフの継続
動物病院の運営は、勤務獣医師、動物看護師、受付・事務スタッフの体制によって支えられています。承継により主要スタッフが離職すると、診療体制そのものが維持できなくなる場合があります。
承継前の段階で、スタッフの処遇、雇用条件、承継後の体制について確認し、必要に応じて説明のタイミングを設計します。
不動産・設備・リースの扱い
動物病院の施設は、院長の所有物件、第三者からの賃借物件、医療法人名義の物件等、保有形態が案件ごとに異なります。また、レントゲン、手術室、入院設備、検査機器等はリース契約となっている場合があり、承継時の契約引継ぎ・再契約の設計が必要です。
不動産の取扱い(譲渡対象に含めるか、賃貸借で残すか、新たに定期借家契約を結ぶか)は、譲渡対価、承継後の運営コスト、売手の退職後の資産状況に影響します。
譲渡代金・分割払い・税務負担
動物病院の譲渡では、譲渡代金の支払方法(一括・分割)、税務上の扱い(株式譲渡/事業譲渡/医療法人持分譲渡)、売手の退職所得・譲渡所得・配当所得の組み合わせにより、手取額が大きく変わります。
支払方法や税務ストラクチャーは、売手・買手双方の事情に合わせて検討します。必要に応じて、税理士・公認会計士と連携します。
金融機関借入や経営者保証がある場合は、保証の扱い、金融機関との協議、クロージング時の確認事項も整理します。経営者保証に関する基本方針は、Guidelineに記載しています。
承継後の運営体制
譲渡後の動物病院がどのような体制で運営されるかは、買手類型によって異なります。個人獣医師による独立開業、既存グループの分院化、ファンド傘下での運営、異業種からの参入による新体制——それぞれ、診療方針、設備投資、スタッフ配置、経営管理の考え方が異なります。
売手が承継後の病院の姿をどこまで気にかけているか、また買手がどのような運営を想定しているかを、基本合意前に確認します。
当社が支援できること
当社は、動物病院M&A・事業承継について、次の実務を支援します。
- 初回相談および譲渡可能性の確認
- 事業価値・株価の算定
- 買手候補の検討と打診
- 案件概要書(インフォメーション・メモランダム)の作成
- 買手候補との交渉進行
- 基本合意書の作成支援
- デューデリジェンスの対応
- 最終契約書の作成支援
- クロージング準備
- 成約後の引継ぎに関する調整支援
支援形態(FAまたは仲介)は、案件特性に応じて決めます。詳細はServiceをご確認ください。
初回相談から成約までの進み方はFlow、報酬体系はFeeをご確認ください。
買手候補の方へ
動物病院の譲受を検討されている方は、以下のような類型が対象です。
- 分院展開を進めている動物病院グループ
- 既存の動物病院に勤務し、独立開業を検討している獣医師
- 動物病院運営への新規参入を検討しているPEファンド等の投資家
- ペット関連事業、医療関連事業からの事業拡大を検討している事業者
- 異業種からの新規参入を検討している事業者
動物病院の運営には、獣医療、採用、現場管理、設備投資などの確認事項があります。新規参入を検討される場合も、承継後の運営体制を確認したうえで進めます。
買手候補としてのご相談については、Contactよりお問い合わせください。関心のある地域、規模、診療領域、希望する承継時期等について、お知らせいただければ、該当する案件があった際にご連絡します。
買手候補として打診を受けた場合の流れは、Flowの「買手候補として打診を受けた場合の流れ」をご確認ください。
書籍・連載
当社代表 蒲 鉄雄による、動物病院M&Aに関する著作・連載は以下のとおりです。
書籍 『動物病院の未来を拓く M&Aの手法とポイント』(緑書房、2017年)
連載 月刊CAP 8ヶ月連載